2021年11月19日、和歌山県議会で開かれたIR対策特別委員会が開かれ、事業予定者であるクレアベストグループと共に作成を進めている区域整備計画の原案説明をおこないました。
しかし、具体的な内容について明らかにできない項目が多く、委員会側から検討内容が不十分との指摘を受けました。
和歌山県としては、2022年4月の区域整備計画の提出に向けて県民向けの説明会を実施したい狙いがありましたが、内容不十分との指摘により延期せざるを得なくなりました。
県民向けの説明会は、当初11月25日から12月5日にかけて県内8市で開催予定としていましたが、今回の延期により日程は一度白紙に戻し、同時に意見公募(パブリックコメント)についても延期をおこなうことを発表。
より広く県民からの意見を取り入れ、区域整備計画の詳細を取り決め、住民に対して説明ができるレベルを目指して取り組むとしています。
県とクレアベストの計画は「見えない部分が多すぎる」との指摘
11月19日、和歌山県議会でIR対策特別委員会が開かれ、区域整備計画の素案について発表がおこなわれました。
区域整備計画の素案を作成しているのは和歌山県とクレアベストベンチャーズ及びClairvest Group Inc.(総称クレアベストグループ)で、委員会にもクレアベストグループの担当者も出席しました。
区域整備計画については、アメリカの大手カジノ事業者も計画に参加していることや、最大で6,000人を収容可能とする国際会議場などといったMICE施設の建設計画について説明。
しかし、運営事業の主体となる企業構成、初期投資額について各企業がどれくらいの比率で出資するのか、融資の交渉をおこなっている金融機関の詳細などといった、運営そのものや資金調達に対しては「現時点では明らかにできない」と明言を避けたため、委員会からは懸念する声が噴出しました。
住民から意見を聞こうにも、その内容では見えない部分が多すぎるとの指摘が相次ぎ、現時点での説明会開催は困難との見解を示しました。
和歌山県は委員会からの指摘内容を認め、委員会から提案された県民向け説明会の延期を受諾。
加えて、パブリックコメントの募集も延期し、より広く県民からの意見を集める方針を固めました。
説明会の開催日程は一度白紙になりましたが、来年2月中には開催するとしています。
区域整備計画の提出期限遵守のためスケジュールは変更せず
今回の委員会からの準備不足指摘により、県民向けの説明会は来年へ延期となりました。
今後は運営事業の主体となる企業を構成するために特別目的会社(SPC)を設立し、構成する企業の決定や、資金調達計画の検討を進める方針です。
2022年1月末までには、運営事業を構成する企業や資金調達計画について公表する見込みとされ、説明会の開催時期は2月を目指して進める予定としています。
しかし、国に区域整備計画を提出する期限が来年の4月28日に迫っており、提出期限に遅れることはできないことから申請へのスケジュールは変更しない方針としています。
県民説明会の後には、和歌山市議会、和歌山県議会での区域整備計画の採決が待ち受けており、議決を得なければ国に提出することができません。
県民説明会、市議会、県議会と全て2月中におこなわれることになるため、資金調達計画などを前倒しで公表で気にかクレアベストグループ側と協議する予定です。
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