大阪IRのPRコンテンツで著作物の無断使用、大阪府・市が謝罪

2023年8月29日、大阪府と大阪市は以前大阪IRのPR動画や静止画の中で、利用許諾が得られていないにもかかわらず著作物を利用していたことを謝罪しました。

今回問題になったコンテンツについては事業者であるMGMリゾーツ・インターナショナルが作成しており、それを大阪府と大阪市がPRに利用していました。

しかし2023年4月に芸術家である那須美智氏が、著作物を無断で利用されていると指摘したことで調査を開始。

調査の結果、やはり無断利用していた著作物があったことが明らかとなり、今回の記者会見で謝罪する事態となりました。

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無断使用されていたのは美術家の作品

著作物の無断利用がされていたコンテンツは、大阪IR事業者であるMGMリゾーツ・インターナショナルが作成したPR動画や画像でした。

作成したコンテンツを大阪府と大阪市に提供し、アピールするためにの手段として利用されていた経緯があります。

しかし4月に美術家の奈良美智氏が無断使用されていると指摘し、他にも村上隆氏らの作品が無断で使われている可能性が高いことが判明、今日までMGMリゾーツ・インターナショナル側が事実関係を調査していました。

既にホームページ等からは該当するコンテンツが削除されているため確認はできませんが、調査した結果無断利用が明らかになりました。

調査結果によれば、無断利用されていたのは3点の作品で、うち2点は奈良美智氏の「あおもり犬」、村上隆氏の「お花お花お花」と判明、残り1点は作者名や作品名は明らかになっていません。

ちなみに奈良美智氏の「あおもり犬」については、公募の際に「あおもり犬」を暫定的に用いたイメージを作成しており、2020年6月に使用許諾の依頼をしましたが、断りの連絡を受領していたとのことで、断られていたのに使用していたことになります。

なお、村上隆氏の「お花お花お花」については、そもそも使用許諾の依頼すらしていない状況でした。

使用許諾の期限が切れていた著作物も無断利用

今回の事態を重く見た大阪府と大阪市は、8月29日の記者会見にて、著作物を無断で利用したいたことを謝罪しました。

謝罪会見の中で、MGMリゾーツ・インターナショナルがおこなった調査結果の詳細を発表しましたが、使用許諾が得られていない3点の他にも、許諾期限が切れていたと思われる著作物が新たに20点あったことを発表しました。

合わせた23点のうち、9点については現時点で許諾を得たとしましたが、既に断れていた著作物を無断利用していたこともあり、権利処理に対する意識が不十分で低かったことを問題視。

大阪IRは当初の予定よりも遅延などにより期間が長引いてしまっていることから、許諾期限切れを招いたと思われますが、意識が低かったことに変わりはありません。

大阪IR推進局の那須副理事は、「このような事態を発生させたことについては、大阪府、大阪市共に重く受け止めている。今後は同様の事案がないよう、対応を徹底し、再発防止に取り組んでいきたい」と話しました。

また、今回のコンテンツを作成したMGMリゾーツ・インターナショナルは、「デザインの無断使用はあるまじき行為であり、権利処理の不備や管理の不足によってアーティストの方々や大阪府、大阪市、その他関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしたことを重く受け止め、深くお詫び申し上げます」と謝罪しました。

また、今後に取り組む再発防止策については、「第三者のアート作品の使用に係るプロセスの強化」や、「定期的に研修をおこなってコンプライアンス意識の向上や教育の徹底を図る」と説明しています。

大阪府と大阪市は作者に対して謝罪をしたうえで、事業者であるMGMリゾーツ・インターナショナルに使用許諾の状況を書面で提出させるように指示したとのことです。

大阪IRは4月に区域整備計画の認定を受けたことにより、今後世界に向けてアピールする機会が増えていくため、さらなる意識の向上が求められます。

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