2022年3月24日、大阪府と大阪市が推進する大阪IRの区域整備計画案が、大阪府議会にて可決され承認されました。
賛成したのは大阪維新の会、公明党、自民党とほとんどの勢力であり、結果的には賛成多数での可決となりました。
3月29日に開かれた大阪市議会でも区域整備計画案は可決されたものの、市議会では自民党市議団が反対を投じており、党内で賛否がわかれていることが判明。
直接大阪IRを推進していくことに変わりはありませんが、今後自民党市議団が大阪IRに反対している市民団体と共に抗議活動をおこなう可能性が懸念されています。
4月28日に国への提出期限が迫っており、大阪IRは他の候補地に先駆けて区域整備計画提出への準備を進めるとしています。
区域整備計画案は維新の会と公明党で賛成も自民党は分裂
3月24日に開かれた大阪府議会で、大阪IRの区域整備計画案が賛成多数で可決され、承認されました。
しかし、承認された後の3月29日におこなわれた大阪市議会では、自民党市議団が区域整備計画案に反対する事態が発生。
大阪維新の会や公明党は賛成多数となり党内の方針が一貫していますが、自民党は党内での対応が統一されておらず、賛成と反対が分かれる形となっています。
市議会の採決前に開かれた討論では、自民党市議団は夢洲の土壌対策費用やIRの経済効果などについて問題視しましたが、採決では大阪維新の会や公明党に押される形で可決されました。
また、土壌対策費用については当初試算されていた約790億円以上かかる懸念があるため、付帯決議として「土壌対策費用は790億円を上限として厳守すること」や、「ギャンブル依存症対策のための施設を開業前に設置すること」などが採決されました。
松井大阪市長は区域整備計画案が可決、承認されたことについて、「いよいよ夢洲がエンタメの拠点になる姿が少しずつ見えてきたかな、と思う」とコメントしています。
府議会や市議会の開催前に事業者の参考人招致
採決をおこなった大阪府議会や大阪市議会が開催される前の3月16日、大阪市議会で大阪IRの事業者である大阪IR株式会社の代表取締役2名が大阪市議会へ参考人として招致されました。
これは夢洲の土壌対策費用や事業の撤退について質疑をおこなうもので、今後の大阪IRが岐路に立たされた時にどのような対応をおこなうのかが焦点となりました。
大阪IRの舞台である夢洲の液状化については、オリックス株式会社執行役の高橋氏は「大規模な集客施設においては、土地の所有者として適正な土地にして頂きたいとお願いをさせて頂いた」とコメントしています。
適正な土地というのは、液状化のみならず、地番沈下や有害物質汚染にも対応が必要ということであり、土壌対策費用が790億円で本当に足りるのかはわかっていないのが現状です。
また、日本MGMリゾーツ代表のバウワーズ氏は、懸念されている基本協定書の事業者側による契約解除について「毛頭撤退する気はないが、見極めをするタイミングが来るかもしれない」と述べ、契約解除をおこなう可能性はゼロではないことを示唆しました。
しかし、その続きでは「しかし長年にわたって取り組んできているため、安易に断念することは考えられない」と契約解除をおこなう可能性は極めて低いことを強調しています。
大阪府議会、大阪市議会で可決、承認された大阪IRの区域整備計画案は、国への提出期限である4月28日までに提出をおこない、認定の申請の手続きを進めるとしています。
国内で認められているIRは最大で3か所ありますが、大阪IRはその一つになるべく推進してきました。
もし大阪IRの区域整備計画案が認定された場合は、2029年の秋頃に開業をスタートさせる想定です。
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