2022年9月28日、大阪維新の会府議団が、定例議会へ「ギャンブル依存症対策を推進するための条例案」を提出しました。
大阪府、大阪市は2022年4月に国に区域整備計画を提出しており、今後継続して大阪IRを誘致していくにあたり対策を強化したいねらいがあります。
一方、自民党府議団も別のギャンブル依存症対策の条例案を提出する予定であり、今後は大阪維新の会と自民党の間で調整がおこなわれるものと見られています。
大阪維新の会が提出した条例案の内容とは
大阪維新の会が提出した「ギャンブル依存症対策を推進するための条例案」の幹となるのは本部を設置し、ギャンブル依存症対策を専門とした部署を立ち上げようとするものです。
拠点を作ることで、依存症対策を総合的に管轄し、かつ計画的に推進することが可能となります。
条例案の計画に盛り込まれている内容としては、①少なくとも計画を3年ごとに点検すること、②計画を更新する際は現場の声や専門的な知見を取り入れるべく推進会議を開くこと、③依存症問題の深刻化を防ぐために若者への啓発に取り組むことなどが盛り込まれました。
特に依存症問題の深刻化を防ぐ策については、最近は違法なオンラインカジノや公営ギャンブルに対して気軽にスマートフォンなどでアクセスできてしまう現状があるため、迅速な対応が求められています。
なお、大阪位維新の会府議団は推進本部の財源についても触れており、財源を確保するために府の基金条例を改正して新たな基金を設置することも計画しています。
基金とはいわゆる特定の事業のための資金であり、積み立てている資金のことを指します。
今回はギャンブル依存症対策のための基金を設けることにより、ギャンブル依存症対策を推進するための活動が滞りなくおこなえる基盤を作り上げる狙いがあるのです。
自民党も掲げている条例案
大阪維新の会府議団だけでなく、自民党府議団もギャンブル依存症対策の条例案を5月に提出していました。
自民党が提出した条例案の内容は、①依存症者の自殺対策やその子供への悪影響を防ぐための支援策の拡充、②民間支援団体や自助グループと連携した継続的なサポート体制の構築を府にもとめること、③依存症者本人の他配偶者や親への就労支援をおこなうことなどが明記されています。
しかし、自民党が提出した条例案は財源の裏付けがないなど懸念事項が多かったとして、大阪維新の会や公明党などの反対多数により否決されてしまいました。
大阪維新の会が提出した条例案よりも具体的な内容で、かつ既に依存症で苦しんでいる人や周りに配慮した条例案になっています。
自民党府議団は今回の否決を受けて、ギャンブル依存症対策の条例案を再度提出する方針を固めており、ギャンブル依存症対策の条例案は華僑を迎えています。
大阪維新の会、自民党共にギャンブル依存症対策を打ち出す必要があるという見解は一致しているため、今後は両党による調整がおこなわれ、年内にも可決、成立するものと見られています。
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