大阪府と大阪市が2022年に提出していた区域整備計画について、政府は認定の判断について3月末になって「統一地方選後に先送りする」と方針を固めました。
統一地方選は大阪にとって非常に大きな意味合いがあり、大阪府知事、大阪市長を決める大一番となっています。
もし大阪府知事、大阪市長ともに大阪IRの推進派であれば、今までと変わらずに積極的にIR事業を進められます。
しかし、もし大阪IRの反対派がトップに就いた場合、他の候補地のようにIR誘致を中止したり、IR推進室を解散したりしかねません。
2023年4月9日に投開票がおこなわれる大阪府知事選、大阪市長選は大阪IR、ひいては日本の今後のIR産業に大きな影響を与えるため、大きな注目を集めています。
今回はそれぞれの知事選候補者が、IR誘致に対してどのような姿勢で臨んでいるのか詳細についてまとめていきます。
大阪府知事選候補者が考えるIR誘致とは
今回の大阪府知事選の候補者は、以下のように計6名となっています。
- 谷口真由美氏
- 稲垣ひでや氏
- たつみコータロー氏
- 吉村洋文氏
- 吉野敏明氏
- さとうさやか氏
6人いる候補者の中で、大阪IRを推進しているのはなんと吉村氏のみとなっており、大阪IRをこれまで通り推し進めていくためには、吉村氏が当選する他方法がない状況です。
吉村氏以外は大阪IRに対して推進の意思は見せておらず、「住民投票が必要」、「IR誘致は中止すべき」などの姿勢をとっていますが、候補者によって温度感は異なっています。
谷口真由美氏「全ての情報を公開して、IR誘致は住民投票で決めるべき」
谷口氏は大阪IRに対して、公開されていない情報が多いことに対して懸念を抱いています。
「どれだけ地盤沈下が起こり得るのか」、「市民の負担はどれくらいになるのか」などといった情報を公開するのが必須であり、その上で住民投票が必要であると主張しています。
現状のままではIR誘致を進めることは許されないと明言しており、今の状況が続くのであればIRに対して反対する姿勢を示しています。
稲垣ひでや氏「ストップ大阪IR!大阪にカジノは不要」
稲垣氏は大阪IRに対して、「ストップ大阪IR!大阪にカジノはいらない」と強く主張しています。
カジノに対して強い反対の意思を示しており、カジノは大阪の治安を悪化させたり、子育てをおこなう環境として適さなくなるとコメントしています。
IR全体に対して反対しているというよりは、カジノに特化して反対しているように感じられます。
たつみコータロー氏「カジノは地域や府民の人生を壊すもの」
たつみ氏は、IRに対して「カジノはギャンブル依存症や治安の悪化など、様々な負の問題が地域や府民の人生を壊してしまう」と反対の意思を強く表明しました。
カジノに関わる事業にたいして、公金が使われている現状について不信感を抱いており、「カジノの収益を福祉や教育にあてることは間違っている」とコメントしています。
ギャンブル依存症対策にも触れ、対策をおこなうくらいであれば、カジノそのものを作らない方がより効果的であると主張しました。
吉村洋文氏「IR誘致によってもたられる経済活性化を推進」
今回の大阪府知事選において、唯一大阪IR事業について肯定している吉村氏。
吉村氏は今まで大阪IRを成長戦略の一つであると捉えており、高い経済効果が見込めると主張しました。
IRにおいてカジノが占める割合は3%未満であることに触れ、「カジノは厳格に管理され、ギャンブル依存対策にも今後積極的に取り組むとコメントしました。
吉野敏明氏「地盤沈下の問題を抱える土地に投資するのは危険」
吉野氏は大阪IRに対し、計画の即時撤回を表明しており、候補者の中で最も強く反対している候補者です。
但し、強く反対しているのは舞台となっている夢洲に対してです。
吉野氏は夢洲に地番沈下のリスクがあることを強く懸念しており、「どうしてもIRやカジノをやりたいのであれば、夢洲に作るべきではない」と述べています。
なお、吉野氏は精神科病院での勤務歴があることから、ギャンブル依存症の問題にも触れており、「一番のギャンブル依存症対策は、カジノそのものを作らないことだ」とコメントしました。
さとうさやか氏「IR誘致をおこなうかどうかは住民投票で決めるべき」
さとう氏は大阪IRに対しては、「住民票をおこなって決めるべき」と述べました。
大阪IRにおいては中立的な立場を取っており、「IR事業は府民の協力があってこそ実現するものなので、住民の皆様がどう考えているかを尊重して一緒に考えたい」と表明しています。
他の候補者たちは賛成派、反対派にはっきりわかれていますが、さとう氏だけは中立の立場を貫いています。
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