2023年5月29日、日本で初となるIR整備計画の認定を受けた大阪府と大阪市が、ギャンブル依存症対策拠点について、専門家らによる初の有識者会議を大阪市都島区で開催しました。
IR事業による売上の8割を占めると言われるカジノにおいては、未だ懸念や反対の声が根強く、政府からもギャンブル依存症対策の強化を求められています。
会議の中では、今後設置が予定されている「大阪依存症センター(仮称)」の相談機能の強化や、支援方法の多様化が必要となるなどの意見が活発に交わされました。
大阪府と大阪市は今回の会議で出た意見をまとめ、2024年夏以降に対策拠点の概要案を作成する際に参考にすることを明らかにしました。
有識者会議のメインは「大阪依存症センター(仮称)」の討議
第1回となる有識者会議では、「大阪依存症センター(仮称)」について討議がおこなわれました。
現在、大阪IRの整備計画においては、ギャンブル依存症の対策として以下の6項目を掲げています。
- カジノ施設への入場回数制限
- 本人や家族等の申し出によるカジノ施設の利用制限
- 24時間365日利用可能な相談体制などの構築
- 若年層向けの予防啓発活動の強化
- 治療体制や回復支援体制の強化
- 大阪依存センター(仮称)の設置
カジノに対してはギャンブル依存症に対する懸念が住民から出ているため、どれも重要なギャンブル依存症の対策に欠かせない内容です。
今回の会議では大阪依存症センター(仮称)に対する討議だったため、依存症対策支援をおこなう団体役員やギャンブル依存症患者の治療をおこなっている医師など、合計で10名が参加しました。
大阪依存症センター(仮称)の設置について、「多くの人が利用しやすい施設にするため、休日や夜間も相談に応じる体制を作るべき」「対面の支援に限らず、SNSなども積極的に活用すべきだ」などの意見が出されました。
今後も定期的におこなわれる予定の有識者会議
今回の有識者会議が第1回と銘打ってあるように、今後も定期的に開催してギャンブル依存症に関する知識の普及啓発や、回復支援を含んだセンター機能の詳細について話し合っていく予定としています。
整備計画におけるカジノ関連の評価が高かっただけに、政府からも有言実行を求めれているのが現状です。
地域住民との連携を深めていくためにはギャンブル依存症対策の強化は必須となるので、今後の大阪府と大阪市の動きに注目です。
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