2023年4月、大阪府と大阪市が提出していたIR整備計画を国が初めて認定し、カジノ免許申請に向けて実施協定の締結が進められています。
今回の認定については、広くは国が認定したわけですが、そもそもIR計画は国土交通省観光庁が中心になって取り組んでいるため、認定を出したのは国土交通大臣です。
ただ、国土交通大臣の独断で決めたわけではなく、全閣僚が参加するIR推進本部による意見聴取がおこなわれ、有識者らによる審査委員会にておこなわれた認定審査の結果に委ねられています。
評価基準は1000点満点中600点以上で認定審査クリア
IR整備計画が認定されるかどうかの審査については、必ず適合しなければいけない「要求基準」と優れた計画を認定するための「評価基準」の2種類があります。
要求基準は計画がIRの基本方針に適合しているか、IR事業者が適切かどうか、カジノ施設による有害な影響が排除できているかどうか等、絶対にクリアしておかなければいけない基準です。
要求基準は認定を受ける前提として設定されている基準ですが、評価基準は計画そのものに対する評価がおこなわれます。
日本が誇るリゾート地になるわけですから、観光地として魅力的で質が高くなければいけません。
大きく分類すると5項目あり、それぞれに配点が設けられています。
合計で1000点満点になるため、その6割となる600点以上で評価基準がクリアとなります。
それぞれの項目に対する配点は以下です。
- 国際競争力の高い魅力ある潜在型観光の実現:450点(うちカジノ施設関連20点)
- 経済的社会的効果:150点
- IR事業運営の能力・体制:200点
- カジノ事業収益の活用:50点
- カジノ施設の有害影響排除等:150点
注目すべきはカジノ関連の配点で、実は全部合わせても220点と全体の2割しかありません。
要求基準の中にもカジノ関連の項目はありますが、売上の8割を占めることになるカジノについての配点は決して高いとは言えません。
大阪IRは657.9点で認定し得る計画と評価
要求基準をクリアした大阪IRが評価基準をクリアできるのかどうか注目を集めましたが、結果としては657.9点で評価基準をクリアしました。
この点数は7人の審査委員の採点の平均点となっているため、特定の審査員の影響を強く受けるような結果にはなっていません。
ほとんどの項目で基準となる6割をクリアしており、安定して高い評価が得られた形となりました。
カジノ関連の点数としても220点満点中131.1点で、6割をクリアしています。
但し、ギャンブル依存症の対策に対する懸念の声はとても大きいため、さらなる対策の強化が期待されています。
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