10月8日、大阪IRに反対している市民団体「夢洲カジノを止める大阪府民の会」が公聴会を開きました。
これは2030年の秋ごろの開業に向けて準備を進めている大阪IRを巡ったもので、公聴会においてはギャンブル依存症や落ち着かない夢洲の土壌問題などを挙げ、大阪IRに反対する声や意見が散見されました。
反対する市民団体はIR関係者に出席を促したものの欠席する回答があったとのことで、お互いの歩み寄りはおこなわれませんでした。
政府は大阪IRの区域整備計画書を承認した際、地域住民に理解してもらうことを条件に出していますが、程遠い状況が垣間見えます。
大阪IR反対派の市民団体が開いた公聴会での意見は
大阪IRに反対している「夢洲カジノを止める大阪府民の会」は、8日の12:30から16:30にかけて公聴会を開きました。
公聴会の題は『「夢洲IR・カジノ大阪府民公聴会」~政府と大阪府市、大阪府民による双方向の対話の場~』とし、題名からは大阪IR推進派と反対派の対話を深めるための場であることがわかります。
公聴会は大阪市生野区民センターホールで開催され、会場にはおよそ500人弱が集まりました。
中には市民だけでなく、国会議員も参加しており、活気に満ちた公聴会となりました。
大阪府民の会の山川事務局長は、「今日を新たな運動のスタートにしていきたい。カジノを止めたいと願う全ての大阪府民の力を合わせて必ず止めていきましょう」と語りました。
公聴会に参加した市民の中には、「カジノにつぎ込むお金があるなら、教育や医療、福祉など本当に必要なことに使って欲しい」との意見も聞こえてきており、反対派の声が大きい公聴会となったようです。
大阪IR推進派であるIR関係者は公聴会を欠席
今回の公聴会は反対派の声が大きい結果となりましたが、それもそのはず大阪IR推進派であるIR関係者は欠席していたのです。
大阪府民の会によれば、観光庁や大阪府市のIR担当者らには公聴会出席を打診したものの、欠席するとの回答があったとのこと。
政府から大阪IRの区域整備計画書の認可を受けた際、宿題として府民への理解を促すことが求められていますが、現状それが実現している流れになっていません。
大阪府民の会側も今回のIR関係者の欠席については、「大阪府市は未だ、区域整備計画の認定で付された7つの条件を誠実に実施していません。特に、大阪府市と大阪府民による「双方向の対話の場」を持つということについては皆無に等しい状況です」と自身のホームページで記しており、無理矢理とも取れるIR計画の進め方に対して強い不信感を発信しています。
大阪府市はこれまでに大阪IRの理解を広げる場として、2023年8月に第1回目の大阪IR説明会を開催しています。
しかし参加府民からは、「一方的な説明を垂れ流すだけで意見を述べる時間がなかった。双方向の議論の場とは言えない」と不満の声があがっていました。
続けて10月26日と31日には第2回と第3回のIR説明会が予定されており、区域整備計画の説明と質疑応答が組み込まれているとのこと。
質疑応答が双方向の対話の場になるかどうかが注目されています。
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