12月4日、大阪IRを推し進めている大阪府と大阪市がIR開業予定地の夢洲について、液状化対策の工事を開始したことを発表しました。
工事が完了するのは今から約3年後の2026年秋頃を見込んでおり、日本国内で初となるIR事業開始に向けて本格的に動き出しています。
大阪IR施設本体の工事は2025年の春頃から始まるとされ、液状化対策の工事は後半に差し掛かってくるとIR施設本体の工事と同時進行になります。
さらに2025年は大阪万博が開催される年でもあるため、様々な準備が果たして同時進行しても差し伝えないのか疑念の声が挙がっているのが現状です。
大阪IRの舞台「夢洲」の液状化対策工事の内容は
大阪IRの舞台である夢洲は、以前より土地に対する問題が山積みとなっています。
事業者の調査で発覚したのは、液状化だけでなく、土壌汚染や地盤沈下などのリスクであり、液状化はその一つに過ぎないのです。
大阪府と大阪市はそれらの土壌問題を解決すべく、土壌対策費として計788億円を上限として大阪府・大阪市が負担することを発表していました。
788億円のうち255億円を液状化対策に講じると2023年9月に発表しており、全て夢洲の土地の所有者である市が負担することになっています。
液状化対策工事の範囲については、IR施設の建物の直下である21ヘクタールが想定されています。
工事方法としては、セメント系固化工法と呼ばれる、セメント系固化材を入れることで地盤を改良する工法が採用され、既に工事に着手している状況です。
IR施設直下におこなう液状化対策工事は2026年秋頃の完了を目指しており、工期後半はIR施設の建設と同時におこなうことになっています。
工事の同時並行で万博への影響が懸念材料
液状化対策工事は2026年秋頃までかかる見込みとなっていますが、その間にはIR施設の工事もおこなわれ、現在は2025年春頃に着手予定です。
さらに同じ2025年4月には大阪・関西万博が開幕予定であり、IR施設の工事や液状化対策工事などが万博による混雑に繋がる懸念が挙がっています。
また、万博への影響は開幕だけでなく、万博の工事がピークとなる2024年にも及ぶとの声があります。
現在万博の工事は急ピッチで進められており、残された期間に全く猶予がない状況です。
万博開催までは万博が優先されるでしょうが、それを大阪IRの液状化対策工事が邪魔してしまうのは避けられず、工事車両の渋滞など悪影響を及ぼす可能性が高いとされています。
万博開幕後だけでなく、万博開幕前の準備にも悪影響が生まれてはいけない状況であるため、計画的な進行が必須となります。
なお、これらの工事の進捗ついて、大阪市長は「スケジュール通り進んでいる。万博とIRが滞りなく進むように取り組んでいきたい」と12月4日の記者会見で述べています。
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