2024年3月22日、IR事業を巡る汚職事件において、収賄と証人等買収の罪に問われている元衆院議員の秋元司被告の控訴審判決が東京高裁にて言い渡されました。
判決については、安東裁判長は懲役4年、追徴金約760万円としていた第1審の東京地裁における判決を支持したため、被告側の控訴を棄却する形となりました。
安東裁判長は第1審判決を支持
秋元元議員側としては、賄賂側との面談予定の記録がない日程表や、スマートフォンの健康管理アプリに歩行記録がないことを根拠として、現金300万円を受け取った場所と言われている議員会館には「行っていない」と主張して無実を主張していました。
しかし、安東裁判長は、日程表は行動記録には該当せず、またアプリも歩行が計測されないケースも存在するなどとして主張について指摘しました。
これらの主張を含む争点については、「第1審の地方裁判所判決に不合理なところはない」として、秋元元議員側の主張を退けました。
今回の判決によれば、秋元元議員は内閣府副大臣だった2017年から2018年にかけて、IR事業参入を目指している中国企業側kら、現金や旅費などの計760万円の賄賂を受領したとされています。
保釈中の2020年には、賄賂側に計3,500万円の提供を申し出て、裁判で偽りの証言をしてもらうように依頼したとされています。
なお、秋元元議員の訴えを退けたと同時に、収賄罪の共犯に問われて同様に無罪を訴えていた元政策秘書の豊嶋被告の控訴も棄却しました。
豊嶋被告は第1審では懲役2年失効猶予4年の判決が言い渡されていました。
秋元被告は4月の衆院東京15区補欠選挙に立候補すると表明
今回の控訴棄却によって、秋元被告は判決が言い渡された3月22日に東京拘置所に収容されました。
しかし控訴の次は上告があるとして、弁護人は判決後の記者会見にて即日上告し、保釈の請求をおこなったことを明らかにしています。
秋元被告は一貫して無罪を主張しており、20日に4月16日におこなわれるの衆院東京15区補欠選挙に立候補すると表明していました。
20日での記者会見では、東京高裁にて言い渡される控訴審判決の結果に関わらず必ず出馬すると明らかにしていました。
秋元被告は、「東京15区の不祥事、混乱のスタートが私だったことも含めて、これをしっかりと正常化し、収めていかなくてはいけない。私が事件に巻き込まれ、多くの皆様にご迷惑とご心配をおかけし申し訳なく思うが、一連の事件について関与していない。22日には判決が出されるのでそれを待ちたい」と語っていました。
東京15区補欠選挙には、日本維新の会、共産党、参政党、政治団体「日本保守党」から出馬すると見られ、全員が新人の擁立となる見通しです。
無実だった場合は自民党に公認申請する意向を示していましたが、控訴審では第一審の判決を支持する形となったため、上告しない限りは有罪が確定します。
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