長崎IR不認定で長崎県が報告書を公表、再審査請求しない方針で検討

ニュース

長崎県が中心に推し進めていた長崎IRについて、2023年に国は整備計画について認定しない方針を固めています。

それを受けて、長崎県はこれまでの長崎IRの取り組みについて、2023年6月4日、取り組みをまとめた報告書を作成して公表しました。

長崎県は報告の中で、国に対して再審査の請求をおこなわない考えを改めて示し、将来のIRの再申請においても「相当程度レベルが高い」として否定的な立場を示しました。

目次

2023年12月に不認定となった長崎IR

カジノを含むIR(総合型リゾート施設)の整備計画を巡り、長崎県は2022年4月に長崎県佐世保市にあるテーマパーク「ハウステンボス」にIRを整備するとした計画を国に申請していました。

整備計画を国に提出したのは大阪府と長崎県の2府県だけでしたが、大阪府は2023年4月に認定を受けたのに対し、長崎県は2023年12月不認定となることが決まっています。

この結果について、長崎県は「県民や関係者に説明するため」として、これまでの経緯や結果などについて報告書にまとめ、6月4日に公表しました。

報告書の中で、長崎県は認定されなかった理由として、資金調達の確実性などの面で審査基準が明確でなかったことなどを挙げ、審査委員会の裁量的な判断に委ねられたことから長崎県との認識で隔たりが生じたと振り返っています。

これまで長崎県は何度か直接整備計画についての説明をおこないましたが、結果は覆りませんでした。

これらの結果を受けて、「審査結果を覆すことは容易ではないと考えられる」とし、国に対して再審査の請求をおこなわない考えを改めて示したうえで、将来のIRの再申請についても「相当程度ハードルが高い」として否定的な考えを示しました。

今回の問題に関しては、2024年3月、長崎県の大石知事も県議会の本会議でIRの整備計画を事実上断念することを報告したうえで、「期待された結果に至らなかったことをおわび申し上げる」と述べて陳謝しています。

練り直しが必要となった県北地域の浮揚策

長崎IRは、今から10年前の2014年3月に前知事が誘致推進を表明し、今まで県北地域の浮揚策は長崎IRが中心となっていました。

しかし今回の不認定の結果を受けて、県北地域の浮揚策については早急な練り直しが求められています。

長崎IRの整備計画によれば、長崎IRは佐世保市のハウステンボス敷地内で2027年の開業を目指していました。

約31ヘクタールの敷地にカジノ棟の他高級ホテルや商業施設、国際展示場などを設置し、国内外から年間840万人の来客と年間約2,700億円の売上高を見込んでいました。

しかし資金調達に関わっていた金融大手クレディ・スイスが経営危機に陥り買収されたことで、資金調達の確実性が不安視されて不認定に至ったのです。

長崎IRによって雇用が生まれることも見込まれ、九州全体の活性化が期待されていただけに、今回の不認定の結果は大きく計画が崩れることとなってしまいました。

今後、どのような浮揚策を掲げて九州の活性化を推し進めていくのか、注目が集まっています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次