IR法案(カジノ法案)とは?【2024年】現在の最新情報やメリットデメリット、いつできるかを解説

IR法案(カジノ法案)って何?

日本でもカジノができるようになるの?

2016年の12月に「カジノ法案」が成立したことにより、日本でもカジノが解禁されることで動向に注目していた人も多いと思います。

ですが、2023年の現在でもカジノが解禁されているわけではありません。

この記事では、IR法案(カジノ法案)の基本情報をはじめ、メリットと注意点、カジノ法案の発足から現在までの流れなどについて詳しく解説していきます。

【この記事の要点まとめ】

  • カジノ法案の目的は「観光産業の振興」「地域経済の活性化」「財政の改善」
  • IR(統合型リゾート)が盛り上がれば、地域経済の活性化を促すことができる
  • IR(統合型リゾート)建設で外国人観光客が増えることで、収益が発生する可能性は非常に高い
  • 日本では最初のカジノ開業地として、大阪府・市で計画を立てている
  • 国内初のカジノが29年秋以降での開業を目指している

IR法案(カジノ法案)とは?

IR法案(カジノ法案)とは、カジノを含む総合型リゾートを日本でも合法的に導入しようという法案で、2016年の12月に成立しました。

カジノ法案と呼ばれていることもあり、日本でもカジノができるのでは?と思われがちですが、IR法案(カジノ法案)は単純に「日本でもカジノを作ろう!」という法案ではありません。

IR事業者がカジノ運営によって得た収入の30%は、国や地方自治体の収入となり、地域の経済振興に充てられます。

IR法案(カジノ法案)の目的

カジノ法案の目的は主に以下の3点です。

  • 観光産業の振興
  • 地域経済の活性化
  • 財政の改善

これらをふまえてIR法案(カジノ法案)をざっくり言うと、「総合型リゾートを作って観光客を呼び込み、財政難を乗り越えよう!」ということです。

カジノ法案という名称だけあって、日本でもカジノを解禁するのでは?と思われがちですが、実はそうではありません。

IR法案(カジノ法案)の目的は、総合型リゾートを作り、観光客を呼び込んで財政難を乗り越えることです。

日本は現在少子高齢化や不景気などの問題を抱えています。

そこで、海外で普及している総合リゾート施設を日本でも設立できるようにと考えられました。

IR推進法に記載されている総合型リゾート施設には、カジノ以外にも以下のような施設も含まれます。

  • 劇場
  • 映画館
  • プール
  • ホテル
  • レストラン
  • ショッピングモール
  • 展示場
  • イベント会場

IR(統合型リゾート)とは

IR(統合型リゾート)とは、「カジノ施設及び会議場施設、レクリエーション施設、展示施設、宿泊施設その他の観光の振興に寄与すると認められる施設が一体となっている施設であって、民間事業者が設置及び運営をするもの」と定義されています。

参考:IR(統合型リゾート)ってなに?-大阪府

IR(統合型リゾート)はカジノを含むホテルや劇場、映画館、アミューズメントパークなどさまざま施設を一区画に含んだ複合観光集客施設です。

IR(統合型リゾート)は主に外国人観光客を呼び込む効果が高く、施設内での消費や交通の需要が増加すると見込まれています。

IR(統合型リゾート)が盛り上がれば、地域経済の活性化を促すことができます。

日本初のIRが大阪に作る計画では、人工島・夢洲で、東京ディズニーシーとほぼ同じ広さの中にカジノや国際会議場、ホテルなどを作る「大阪IR計画」が進行しています。

大阪府・市は2029年の開業を目指しており、実際に大阪IR計画が進めば日本初となります。

IR法案(カジノ法案)のメリット・デメリット

次に、IR法案(カジノ法案)のメリットデメリットをぞれぞれ紹介していきます。

IR法案(カジノ法案)のメリット

  • 地域活性化に期待できる
  • 雇用がたくさん生まれる
  • 観光による経済効果

IR法案(カジノ法案)には、上記のようなメリットがあります。

以下にて、それぞれ詳しく解説していきます。

地域活性化に期待できる

IR法案(カジノ法案)によって地域活性化することができます。

カジノを含むIRは、地方の活性化にも期待できます。

日本各地にIRが建設されれば、駅や空港からアクセスしやすいようなインフラ設備が整い、これまで訪れることがなかった外国人観光客まで、地域に集まるようになります。

さらに、これまでカジノ目的で海外へ行っていた日本人旅行客も集められるので、さらなる地域活性化に期待できるのです。

日本にはこれまでカジノができる場所がありませんでした。

IR法案(カジノ法案)カジノを含む総合リゾート施設が建設されれば、カジノを楽しみたい外国人観光の流入にも期待できます。

雇用がたくさん生まれる

IR法案(カジノ法案)によって雇用がたくさん生まれるというメリットもあります。

カジノを含むさまざまな施設が入るIRには、それぞれの施設で働く従業員の存在が必須です。

カジノのディーラーやスタッフだけでなく、さまざまな場所で人員が必要になるため大量の雇用に期待できるでしょう。

新しい施設ができてそこに雇用が生まれれば、地域の経済活性化にもつながるでしょう。

観光による経済効果

総合型リゾート施設ができれば、ただその施設への観光だけでなく、周辺の施設への経済効果にも期待できます。

田舎ではIRを誘致しても大きな経済効果は得られませんが、外国人観光客が増えることで、インフラ設備が整えば、収益が発生する可能性は非常に高いです。

IR法案(カジノ法案)のデメリット

次に、IR法案(カジノ法案)のデメリットを紹介します。

  • ギャンブル依存症が増加する
  • 治安が悪くなる
  • マネーロンダリング問題

以下にて、詳しく解説していきます。

ギャンブル依存症が増加する

IR法案(カジノ法案)によって、ギャンブル依存症が増加する可能性は十分に考えられます。

パチンコや競馬などのギャンブルに依存してしまう人を「ギャンブル依存症」といい、一部の人はギャンブルが影響して生活が困難になってしまう人もいます。

総合リゾート施設ができれば、ギャンブル依存症が増加してしまうのではないかという懸念点があります。

ただし、総合リゾート施設を作っただけでギャンブル依存症が増加すると直接的に繋がるわけではないので、今後の動向には注目していきたいところです。

治安が悪くなる

カジノを含む総合型リゾート施設ができれば、周辺の治安が悪くなる可能性もあります。

総合型リゾート施設は直接的に危ない場所ではないですが、朝方まで営業していたりなど、反社会団体が利用する可能性も十分に考えられます。

そのため、総合型リゾート施設を建設する時は、地域と警察とが一丸となって治安の維持が求められるでしょう。

ですが、世界的にみても、カジノを設置して治安が悪化したという事例はほとんどありません。

マネーロンダリング問題

マネーロンダリングとは、違法な手段で得た資金を仮装・隠匿することです。

また、犯罪収益は、規制の緩い国へ流れていくという特徴を有することから、マネー・ローンダリング対策には、各国が協調して取り組むことが不可欠です。

参考:金融庁|マネーロンダリング対策

日本でもカジノができれば、マネーロンダリングの温床となる可能性があります。

このような問題に対してどのような対策をとっていくのか、今後の政府の動きに注目が集まっています。

IR法案(カジノ法案)の発足から現在までの流れ

日本では最初のカジノ開業地として、大阪府・市で計画を立てています。

政府は、2029年の開業を目指すとした、IR法案(カジノ法案)を大阪府と大阪市の整備計画を認定する方向で調整を進めていると発表していますが、今後IR開業までどのように進んでいくのか、気になりますよね。

そこで、ここではIR法案(カジノ法案)の発足から現在までの流れについて紹介していきます。

IR法案(カジノ法案)の発足から現在までの流れ①IR推進法成立

2016年12月に、日本で初めてとなるIR法案(カジノ法案)が成立しました。

これにより、日本でカジノを含む総合型リゾート施設の建設の動きが本格的に始動しました。

ただし、候補地やメリットデメリットを含め、なかなかスムーズに計画が進んでいないのも現状です。

IR法案(カジノ法案)の発足から現在までの流れ②カジノ管理委員会発足

2020年1月には、「カジノ管理委員会」が発足し、カジノ事業者の監査や免許審査、カジノゲームに不正がないかなどを取り締まります。

IR法案(カジノ法案)の発足から現在までの流れ③IR設置における基本方針の策定

2020年12月には、政府によってIR誘致に関する基本方針の策定がされました。

IR整備法に基づく基本方針は次のように決定しました。

IR整備法に基づく基本方針

出典:基本方針概要

IR法案(カジノ法案)の発足から現在までの流れ④IR候補地の正式決定

基本方針が決まると、候補地が正式に決定されました。

2021年10月1日~2022年4月28日までにIRの区域整備計画を作成し、国に申請を行い、区域認定申請を行った自治体は、大阪府・市、長崎県の2か所です。

2023年4月14日には大阪府・市の整備計画が政府によって正式に認定されました。

IR法案(カジノ法案)の発足から現在までの流れ⑤IRを開発する事業者の選定

候補地が決まってからは、自治体がIR開発を進めるうえで十分に審査して選定しました。

怪しい団体ではないか、不正をしていないかなど十分審査してから大阪府・市の整備計画が政府によって認定されました。

IR法案(カジノ法案)の発足から現在までの流れ⑥IR開発・開業

開発を担う事業者が決まってからは、今度は事業者と自治体とで開発プランをすり合わせ、実際に動き始めています。

大阪市内で運営を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)の開業は、2030年1〜6月ごろになるとの見通しを示しています。

どのような施設をつくるのか、運営方針はどうなっているかなどはまだ明確に決まっていません。

今後の動向に注目していきましょう。

IR法案(カジノ法案)Q&A

最後に、IR法案(カジノ法案)に関するよくある質問にまとめて回答していきます。

次のような質問に回答していきますので、参考にしてください。

  • IR法案(カジノ法案)の候補地は?
  • カジノを含む総合型リゾート施設の入場料は?
  • カジノを含む総合型リゾート施設はいつできる?
  • カジノを含む総合型リゾート施設の制限はある?
  • カジノ法案の正式名称は?

IR法案(カジノ法案)の候補地は?

IR法案(カジノ法案)の候補地は?

日本最初のカジノ開業の候補地は3か所とされていますが、最終的にIR整備計画を申請したのは大阪府・市と長崎県の2か所のみです。

カジノを含む総合型リゾート施設の入場料は?

政府は2018年2月21日、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の日本人客らのカジノ入場料金に関し、1人2千円を軸とする方向で検討に入りました。

最終的な入場料はまだ決まっていません。

カジノを含む総合型リゾート施設はいつできる?

政府が大阪IR計画を認定、国内初のカジノが29年秋以降での開業を目指しています。

ただし、計画通り進まない可能性もあるので、今後の動向には注目しておきましょう。

カジノを含む総合型リゾート施設の制限はある?

政府のカジノ管理委員会はギャンブル依存症対策として、家族らの申し出があれば一年以上の入場禁止・制限を適用すると規定しました。

IR整備法は、全ての国内客に週三回、月十回までの入場制限を設けています。

また、金銭的に追い込まれる事態を防ぐためATMの設置の禁止も検討しているようです。

カジノ法案の正式名称は?

カジノ法案の正式名称は、「統合型リゾート(IR)整備推進法案」です。

「IR」とはIntegrated Resortの略であり、「統合型リゾート」という意味です。

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IR法案(カジノ法案)まとめ

この記事では、IR法案(カジノ法案)の基本情報をはじめ、メリットと注意点、カジノ法案の発足から現在までの流れなどについて詳しく解説してきました。

IR法案(カジノ法案)は日本にカジノを含む総合型リゾート施設を導入しようという法案で、実際にカジノを設置するという法案ではありません。

2023年5月現在大阪府・市で総合型リゾート施設の建設が進められていますが、すぐにできるわけではなく29年秋以降での開業を目指しています。

2023年後半にはさらにIRの動きが進む可能性が高いです。

今後も少しずつ情報が解禁されていくので、注目しておきましょう。