2021年12月10日、長崎県と事業者であるカジノオーストリアが長崎IRの区域整備計画の骨子を公開しました。
骨子の中では、行政として取り組む施策だけでなく、事業者がおこなうべき「事業基本計画部分」が追加され、ハウステンボスを拠点としている長崎IRに建てる施設の外観デザインや位置などが修正されました。
これらの追加や修正は、カジノオーストリアが掲げているコンセプトを実現するためであり、和だけでなく洋の文化が融合された佐世保市のイメージに近いものになっています。
骨子については12月14日の佐世保市議会で議論が交わされ、骨子への同意が賛成多数で可決となりました。
今後は区域整備計画を作成し、国に提出する準備を整えていく方針です。
骨子ではホテルやMICEのデザインを変更して文化や時代の融合
長崎IRにおけるコンセプトは「Accept,Device,Creation 様々な文化を受け入れ、融合し、新しい価値を生み出す街」とされ、カジノオーストリアが掲げています。
九州・長崎IRの魅力を引き出すためには、今まで和だけでなく洋を取り込んだ文化を築き上げてきたことをアピールする必要があり、「真の和洋折衷」を目指しています。
今回発表された骨子では、世界的に有名なホテルブランド「ハイアット」が入る予定の「クリスタルタワーホテル」のデザインを、ワインボトルとグラスをイメージした琉線スタイルに変更しました。
他にも、国際会議場などイベントをおこなうMICE施設では、成長する細胞核をイメージしたドーム状に変更され、近未来への可能性を前面に推し出したイメージとなりました。
施設だけでなく、交通手段についても改良され、さらに新しい交通プランとして海路を活用した遊覧船の運航についても発表。
カジノは収益およそ1,500億円とIRの半分以上が見込まれていますが、ファミリー層に配慮してか敷地の最も奥に位置するホテル内に整備する予定としています。
骨子は市議会で可決、今後は国への提出に向けて区域整備計画作成へ
12月14日、素案は佐世保市議会での最終本会議にて、骨子に対する同意が賛成多数で可決されました。
ハウステンボスを有する佐世保市は、市議会の可決を受けて今後誘致予定地としているハウステンボスの用途変更や上下水道の整備、ギャンブル依存症や治安維持対策などの取組みについて長崎県と協力しておこなっていくことを明らかにしました。
今後は区域整備計画の作成を開始し、来年4月に迫っている国への提出期限に間に合うように準備を進めていく方針を固めています。
来年2月には長崎IRの公聴会が開かれる予定で、公聴会で出た意見も参考にするとのことです。
長崎IRは順調に進んでいるように見られますが、大阪IRなどと同じように市民団体がIR誘致の中止を求めたり、住民投票の実施を求めたりする行動をおこなっています。
今後、どのようにして市民を納得させ、IR誘致を成功していくのか注目を集めています。
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