2022年3月17日、和歌山県にて県議会IR特別委員会が開催され、和歌山IRについて議論が取り交わされました。
県議会IR特別委員会では、和歌山IRの事業者「クレアベストニームベンチャーズ」のマリオ・ホー代表取締役がオンラインで参加し、これまで不明瞭と言われていた資金の調達方法や出資をおこなう企業を明らかにしています。
ただ、融資を約束するコミットメントレターを取得していないことから議論は過熱し、約束されていない投資について懸念の声があがりました。
県は問題ないレベルだとしていますが、今後開かれる和歌山市の臨時市議会での採決に影響を及ぼしそうです。
和歌山IRの初期投資額は海外の外資企業から借り入れ
和歌山IRでは初期投資額が約4,700億円を見込んでいますが、その内のおよそ7割を占める約3,250億円についてはスイスの金融企業「クレディ・スイス」を中心とする機関から借り入れる想定でした。
借り入れ先を担当している事業者「クレアベストニームベンチャーズ」のホー氏は、アメリカや韓国などの4社の外資系の金融機関から融資の基本合意書を得ていることを明らかにしました。
初期投資額の残り3割である約1,450億円については出資で確保する予定で、国内の西松建設など外資系の企業8社より40%を負担する少数株主として基本合意書が提出されている旨を説明。
既に少数株主が出資している40%の額はクリアしており、今後は配分の見直しをおこなう方針です。
残りの60%については、CNVが27.5%、クレアベストグループが27.5%、アメリカのカジノ大手シーザー図が5%という割合になっています。
和歌山IRの初期投資額の大半を占めているのは「クレディ・スイス」からの借り入れであるため、確実にクレディ・スイスから借り入れがおこなわれなかった場合は、和歌山IRは頓挫することになりかねない状況です。
クレディ・スイスから融資の確約書は取得しておらず
和歌山IRが実現できるかどうかは、初期投資をしっかりと確保できるかどうかがとても重要です。
そのため、クレアベストニームベンチャーズがクレディ・スイスからコミットメントレター(融資を確約させるための書類)を取得していないことについて、IR特別委員会では疑問視したり不安視したりする声が多く聞かれました。
コミットメントレターを取得していないことについてホー氏は、「コミットメントレターはIR事業が認可された後に取得する方針だ。国際的には今回のようにコミットメントレターを得なくても手続きを進めるのが一般的なので、約束している事実さえあれば、国への申請は通ると考えている」と主張しました。
続いて3月22日にも、和歌山市議会のIR対策特別委員会では外資系企業を反対したり、出資の確実性などについて不安視する声が大きく聞かれたようです。
国へ区域整備計画を提出する期限は4月28日に迫っているため、今後開かれるであろう和歌山市の臨時市議会で、IR誘致に市として同意するかどうかを決める見込みです。
コメント