長崎IRの区域整備計画最終案を佐世保市議会に提出、臨時市議会で採決か

2022年4月12日、長崎県佐世保市は、ハウステンボスを舞台とした長崎IRについて、区域整備計画の最終案を佐世保市の市議会に提出しました。

4月14日と15日に開催される臨時市議会にて審議がおこなわれる予定となっています。

提出された最終案では、懸念されていた資金調達先が記載されており、アメリカの大手不動産サービス企業である「CBRE」が資金調達先として支援することが盛り込まれ、他にもカジノ施設の敷地面積が修正されたり、収益見込み額にも修正が入っています。

国に区域整備計画を提出できる期限は4月28日に迫っており、佐世保市の臨時市議会で可決したら、次は長崎県議会に提出して可決してもらう必要があります。

現在、国に区域整備計画書を提出する候補地は長崎IRの他は大阪IRだけと見られており、今後の行方に注目が集まっています。

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長崎IRの資金調達先として「CBRE」が支援するも、まだ出資企業は非公表のまま

長崎IRは運営を始めるために必要な資金およそ4,383億円の資金調達先がどこなのか公表していませんでした。

しかし今回の区域整備計画の最終案では、アメリカの不動産サービス大手である「CBRE(シービーアールイー)」が資金調達の支援を行うことが明らかになりました。

CBREは不動産サービス大手でありながらも、大型不動産開発のみならずゲーミング業界における投資銀行業務の実績があります。

既に外資系企業や国内の大手企業から資金調達額を超えるおよそ4,700億円のコミットメントレター(融資出資の意思表明書類)を取得しているとされていますが、CBRE以外の企業名については未だに明らかになっていません。

4月12日、佐世保市は今回の最終案を市議会に提出し、4月14日と15日で開かれる臨時市議会で審議がおこなわれることになっています。

長崎IRは九州の地方創生の期待を背負っている一大プロジェクトですが、資金調達先が明らかになっていないことについて懸念を抱かれており、臨時市議会の討論の場でも同様の声が出てくるのではないかと予想されています。

最終案ではカジノ施設の面積や売上額にも修正

今回の区域整備計画の最終案では、資金調達先であるCBREが明らかになっただけでなく、カジノ施設における修正も入っています。

具体的には、カジノ施設の面積が増加しており、これまではIR敷地面積の2.38%だったのが、0.44%拡大されて2.82%になりました。

カジノ施設の面積には制限が設けられており、IR敷地面積全体の3%までとされています。

この増加分によって、さらなる売上増加を見込めると思われていましたが、テーブルゲーム用のテーブルは約400台、スロットゲームなどの電子ゲーム約3,000台の設置台数には修正が入っておらず、売上増加のための面積拡大ではなさそうです。

それどころか、今までの計画案よりも売上高が3%下がっており、売上額としてはおよそ92億円減少。

試算の方法が変わったせいなのかは明らかになっていませんが、カジノの収益はIR全体の74%と大きなシェアを占めていることに変わりはなく、カジノ施設による売上が必要であることは変わりありません。

他にも、ギャンブル依存症対策の詳細や、治安悪化や犯罪抑止対策についての計画などが盛り込まれています。

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