2022年6月15日、立憲民主党は国土交通省に「カジノを含むIR事業にかかる大阪府や大阪市の区域整備計画を認定しないように求める申し入れ」をおこないました。
6月15日の午前に立憲民主党は「カジノ問題対策本部」の会合を開催し、改めて大阪IRの開業による治安悪化やギャンブル依存症対策などの懸念をぬぐえないことを確認しました。
そして党として区域整備計画について反対する方針を固めています。
今後、立憲民主党は大阪IRを反対する取組みを進めるとしています。
立憲民主党が「カジノ問題対策本部」を新たに設置
2022年6月15日の午前、立憲民主党は「カジノ問題対策本部」を設置し、会合を開催しました。
会合では、大阪府と大阪市が国に提出した大阪IRの区域整備計画について意見を取り交わし、大阪IRを開業することによる治安悪化や、ギャンブル依存症対策の内容に問題があることなどを確認。
そして会合の結論として、立憲民主党は党として大阪IRに反対する方針を固めました。
6月15日の午後、立憲民主党は国土交通省に対し、「カジノを含むIR事業にかかる大阪府と大阪市の区域整備計画を認定しないよう求める申し入れ」をおこないました。
申し入れをおこなったことに対して、カジノ問題対策本部の本部長を務める泉代表は、「当初は外国人客を多く見積もっていたはずだが、2021年版の計画では主流が日本人に置き換わっている。ビジネスモデルそのものを変更しており、過大な集客予想を前提にしている」と採算の取れない計画を問題視していました。
2021年版の計画では、日本人が7割、海外からの観光客が3割に変更されており、新型コロナウイルスなどの影響を考慮したモデルに変更されています。
そもそもIRは海外からのインバウンドを狙ったものであり、国内向けとしてしまうと当初のコンセプトから大きくかけ離れたものになってしまうことを懸念しているようです。
泉代表は続いて、「カジノ問題については詳細について検討をおこなったが、やはり賛成することはできない」と反対する姿勢を表明しました。
申し入れの内容はコロナ禍による観光回復や住民意思の再確認を主張
立憲民主党が6月15日におこなった申し入れによれば、「立憲民主党は新型コロナウイルスによって海外からの観光客が減少してインバウンドに期待できなくなっており、今後回復する見通しが現段階において確かなことではない」と言及しました。
そもそもIRとは海外からの観光客に対するビジネスですが、新型コロナウイルスによって海外観光客の大半を占める中国がカジノ目的の海外旅行を制限する方針を示していることから、大阪IRの収益は当初予定より悪化する可能性があります。
IR整備法は2018年に公布されたため、新型コロナウイルスの影響については特に考慮されておらず、少なくともコロナ禍の現状ではIRを成功させる見通しが立てにくい状況にあります。
また、大阪の市民団体「NO!大阪IR・カジノ」が大阪IRの是非を問う住民投票を求め、20万筆を超える署名を集めたことにも言及し、「大阪はこれまで都構想についても住民投票を2回も実施して住民が最終的な意思決定をおこなってきた歴史がある。IRの整備にかかる今後の手続きにおいても、住民投票を含めて住民の自治が尊重されなければならない」と主張しました。
これらの課題が大阪IRにあるため、大阪府と大阪市が提出した区域整備計画は要件を満たしていないと判断し、国に認定しないように求めています。
コメント