2021年8月25日、和歌山県は国内で最速となる基本協定をクレアベストニーム、Clairvest Group Inc.コンソーシアムを合わせた「クレアベストグループ」と締結しました。
次いで8月30日には、長崎県がオーストリア・インターナショナルと基本協定を締結し、国内で2番目となる事業者選定となりました。
これで和歌山県と長崎県は正式に事業予定者を決定したことになり、今後はそれぞれの事業予定者と協力して区域整備計画を作成していくことになります。
なお区域整備計画を国に提出する期限は2022年4月28日となっており、区域整備計画案を作成した後は市議会や県議会の採択で可決される必要があります。
和歌山県とクレアベストグループが国内第1号となる基本協定を締結
和歌山県は8月25日、全国で初となるIRの基本協定をクレアベストニーム、Clairvest Group Inc.コンソーシアムを合わせた「クレアベストグループ」と締結しました。
クレアベストグループは、和歌山IRのコンセプトとして「木の国・水の国 自然豊かな滞在型・自然型IR」を掲げています。
滞在型IRを掲げていることもあってか、祝発施設にはおよそ2,700室が用意され、国際会議場やアクティビティ体験施設などのMICE施設も備え、カジノ施設においてはおよそ38,000平方メートル規模を提案しています。
これらの提案内容を実施していくためにはブラシュアップが必要となりますが、和歌山県は「地域経済の発展や地元雇用の創出に繋げていくため、県内事業者が広く参画できる「オール和歌山」の体制づくりを求めていく」としています。
和歌山IRには地元の経済効果への寄与がポイントとなっており、地方が潤うためにIRは必要との認識です。
ただその一方で、仁坂和歌山県知事は「IRは良くないんだという人が増えているように感じる」と反対意見の増加を懸念しています。
事実、候補地の一つであった横浜では、IRに反対する候補が横浜市長選に勝利しており、今後の和歌山IRの推進に影響が出ることの見方を示しました。
そのうえで仁坂和歌山県知事は、「意味もなくIRを推進しているわけではないということ。都心部などの栄えているところであれば誘致をする必要などないが、和歌山県の衰退を止めるためにIRを推進しているのだ」と述べ、改めて和歌山IRの意義を主張しています。
和歌山県としては、事業予定者であるクレアベストグループに、IRに対する正しい情報や、IR誘致を進める理由の発信もおこなってもらうように打診していく方針を固めました。
長崎IRの事業予定者であるカジノオーストリアは和洋折衷がコンセプト
和歌山県に続いて、全国で2番目となった長崎IRのIR事業予定者選定。
8月30日には長崎県がカジノオーストリア・インターナショナルと基本協定を締結しました。
締結と同時にカジノオーストリアが「東洋文化と西洋文化の融合~真の和洋折衷を実現」をコンセプトに掲げた提案を公開しました。
提案によれば、長崎IRの中に作られたおよそ9,000平方メートルのカジノエリアには約220台のゲームテーブルとおよそ2,200台のスロットマシンが設置されるようです。
IRの整備については、既存のホテルヨーロッパやパレスハウステンボスは改修して活用するとしており、少しでも開業総事業費を安く抑えるための工夫を施しています。
朝長佐世保市長は区域整備計画の作成について、「横浜は誘致を断念してしまったが、だからと言って区域整備計画の基準が甘くなるわけではない。長崎県と事業予定者が一体となって粛々と作成を進めていかなければならない」と述べました。
横浜がIR誘致を取りやめたことで、残る候補地は和歌山、長崎、大阪の3ヶ所となりました。
大阪はまだ基本協定は締結していないものの、応募事業者であるMGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスコンソーシアムの共同で作成した提案書を9月中に審査、認定する方針で動いているようです。
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