署名によって実現した大阪IRの是非を問う住民投票条例案が否決

2022年7月29日、大阪府議会は大阪府、大阪市が推進している大阪IRの誘致をおこなうかどうかの是非を問う住民投票条例案を否決しました。

これは8日前の7月21日に、市民団体が大阪IRの是非を問うための住民票を求めて署名活動をおこない、住民投票条例案の制定を求めて直接請求をおこなったのが発端となっています。

署名の数が約20万筆と非常に多かったこともあり、大阪府議会は臨時議会を招集、条例案を即日採決することになったのです。

しかし採決の結果否決されたことで、大阪IRの是非を問う住民投票は正式におこなわれないこととなりました。

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過去最大級の署名が集まるも臨時国会の採決では否決

今回の採決は、市民団体が約20万もの署名を集め、大阪府知事である吉村氏に直接大阪IRの是非を問う住民投票を請求したことで実現しました。

吉村大阪知事は条例案の請求を受けて、臨時議会を緊急招集、およそ1週間後の7月29日に臨時議会を開会したのです。

吉村大阪知事は条例案を議会に提出しましたが、既に4月に国に区域整備計画を提出していたため、「このタイミングで住民投票を実施する意義を見出すのは難しい」との反対意見を付けていました。

署名を集めた市民団体側は、「選挙で選ばれた議員が決めたからそれでいいという考えは、住民の意見を封殺している」、「条例案の意味を真摯に受け止め、署名が集まったことを直視すべき」などと意見陳述をおこないました。

議論はおよそ6時間にも及び、住民投票の是非について白熱しましたが、最終的に採決では大阪維新の会と第2会派である公明党が反対をしたことで、議席の過半数が反対票を投じる結果となりました。

第3会派である自民党は、住民投票そのものには賛成していたものの、外国人にも投票権を認めていたため条例案に反対しました。

こうして大阪IRの是非を問う住民投票は実施されないことが正式に決まったのです。

今後市民団体は国へ区域整備計画を認定しないように働きかける方針

今回の採択を受けて、吉村知事は「反対派の意見をしっかり聞いて受け止めて、このIRを進めていくことが重要」と市民団体をはじめとした約20万票の署名について思う受け止めるべきと述べました。

そして「大阪IRは経済の成長や雇用の促進など、プラス面で非常に大きな効果もあるので、情報発信をやっていきたい」とも述べ、大阪IRがもたらす経済効果についても強調しました。

既に区域整備計画を提出しているため、今回の住民投票が実現しなかったと見られていますが、市民団体は今後条例案に反対した議員に説明を求め、計画を国が承認しないように訴えていく方針を固めています。

集まった有効署名数は法廷必要数を上回る約20万筆

市民団体が集めた署名は20万人分以上となりましたが、これは2022年3月25日からおよそ2ヶ月にわたって実施された署名活動で集まったものです。

大阪府に住民投票をおこなう条例制定を求めるためには、府内有権者となる約750万人の50分の1に該当する約146,000人の有効署名が必要でした。

当初は20万人以上もの署名を集めることを目標としていたため、目標を達成したことになります。

集めた署名のうち、選挙管理委員会が審査をおこなった結果、法廷必要数である約146,000人を上回る192,773人分の署名が有効とされたことにより、大阪府に署名を提出して住民投票の実施の請求が実現しました。

署名を集めて政治に訴えをおこなっていく動きは大阪IRだけでなく、他の候補地でも今後波及していく可能性があります。

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