2022年11月14日、大阪市市長の松井一郎氏はIRの審査状況に触れ、建設予定地である「夢洲」の地盤関連について国から必要書類の提出を求められていることを公開しました。
夢洲の地盤については現在協議をおこなっている段階ですが、国から求めれている請求については「根拠のある数字を示す」としています。
夢洲の地盤問題については、大阪IRへの区域背日計画の認定が遅くなっている原因だと言われており、一刻も早い解決が必要だと言えます。
国から請求された地盤の対応策は協議中
大阪府と大阪市は2022年4月、国に対して区域整備計画を提出し、現在国が区域整備計画について審議をおこなっています。
当初は秋ごろまでに認定がおりると思われていましたが、年末になっても審議が継続しています。
その背景には夢洲の土壌問題があると言われており、実際国は夢洲の地盤関連について必要書類の提出を求めてきました。
国は夢洲の土壌問題について専門家に見解を求めたり、議論を深めたりしている背景があります。
今回の夢洲の土壌問題においては、大阪府や大阪市も重く見ており、土壌汚染や地盤沈下などのリスク対策として、大阪市は約790億円もの対策費を負担する想定です。
11月14日に大阪市役所で開かれた記者団の取材に対して、松井大阪市長は「地盤について液状化などの問題点が指摘されているため、国から解決の手段や時期、対応策について求められており、現在協議しているところだ」と述べており、「国から求められたことについては、根拠のある数字を示してしっかりと説明したい」と答えました。
カジノ反対派が夢洲を視察し、改めて土壌問題に懸念
大阪IRの誘致を推進する大阪府や大阪市は積極的に土壌問題の解決に向けて動き出していますが、同様に反対派である大阪連絡会と日本共産党の参議院らも動きを見せています。
11月10日、夢洲を視察し、2020年に実施された土壌調査点などを巡って、大阪市港湾局から説明を受けました。
夢洲は人工島で埋立地になっていますが、埋め立てには発がん性のる有害物質を含んだ大阪湾の土砂が含まれています。
この有害物質を含んだ土砂がいつ、どのように、どこにあった土砂が、どれくらいの量が埋め立てに使われたのか、との質問をしたところ、大阪市港湾局の担当者は「埋め立て履歴の記録がないのでわかりません」と回答しました。
日本共産党の山下副委員長は、「大阪IRの建設予定地は60万平方メートルと広大なのに、土壌調査は1ヶ所しかおこなわれていないのが現状で、調査の深さも不十分だと言える。そのうえ履歴の記録もないのであれば、夢洲の安全性や健康の確保はできない」と述べており、IR認定審査において重大な問題であることを改めて強調しました。
夢洲の土壌問題のリスク対策で莫大な費用がかかっているのは、どこが問題なのかがわからないために全てをカバーしているのではないかという見方もありますが、実際にどのような作業に対しての費用なのかが今後は重要になると言えます。
国が求めている夢洲の土壌問題については、調査内容が不十分であるためにどのような根拠を提出するのか、対応策の内容に注目が集まっています。
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