大阪IRの賛否を問う住民投票条例案が2度目の否決…要請を含めると3度目の否決に

2023年3月6日、大阪府議会は自民党の大阪府議団などが提出した条例案を否決しました。

この条例案はIR誘致の賛否を問う住民投票の条例案であり、住民投票条例案が否決されたのは要請を含めると今回で3度目となります。

条例案の否決を受けて、自民党は大阪市議会へも条例案を提出する方針を固めており、住民投票の実施に向けた活発な動きを見せています。

大阪IRを推進する大阪維新の会と、住民投票を求める自民党の争いは今後も当分続きそうです。

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統一地方選挙との同時開催を狙うも即日否決

自民党の大阪府議団は、「知事選挙と同じ日程で住民投票をおこなえば、費用を削減することができる」として、同じ日である4月9日に住民投票をおこなう条例案を大阪府議会に提出しました。

しかし、大阪IRを推進している大阪維新の会は「予算の確保や選挙事務の観点から安直な実施には懸念がある」として反対の姿勢を表明。

公明党も大阪維新の会と同じで反対する姿勢を示したため、大阪維新の会と公明党が反対、自民党と対立する構図となりました。

議会で採決がおこなわれた結果、維新と公明の反対多数により、住民投票を求める条例案は即日否決という結果に終わりました。

大阪府議会で否決されたものの、同様の住民投票実施の条例案を大阪市議会にも提出する方針を固めており、今後も住民投票の実施を呼びかけていくことになりそうです。

住民投票を巡る大阪維新の会と自民党の争い

今回のIR誘致の賛否を問う住民投票条例案否決を受けて、自民党大阪府議団は「IRについて府民の十分な理解が得られていない。真意を問うべき」と主張しています。

自民党総裁である岸田首相や、前首相だった菅氏はIR事業に対して前向きに捉えているため、自民党が住民投票案を提出していることに違和感を覚えるかもしれませんが、IR成功を願っているのは自民党の大阪府議団も同じです。

2022年7月29日に市民団体が住民投票実施の要請をおこなった際、条例案と共に20万筆近くの署名が集まったのにも関わらず、それを無視するかのように否決した大阪維新の会に対して不満を呈していました。

その際、自民党会派を代表して質疑をした原田府議は、「19万2773筆もの署名が集まったのは大変なこと。ここで立ち止まって府民の皆さんの声を聞く方が、IRの成功に繋がる」と述べ、住民投票に賛成しています。

実は自民党は2022年2月にも住民投票条例案を提出しており、7月の市民団体が出した住民投票実施の請求を合わせると今回で3度目の住民投票否決となりました。

大阪維新の会と自民党の争いは長期に渡って繰り広げられていますが、条例案には自民党としての賛否の立場は示さず、「市民の賛否を明らかにして、市民の意思を反映させること」を目的としています。

さらに自民党は統一地方選挙でおこなわれる大阪府知事と大阪市長の選挙公約として、「IR誘致は住民投票の結果で判断する」と掲げている政治団体「アップデート大阪」が擁立する候補者に対して支援をおこなうと呼びかけました。

今後も大阪では維新と自民の争いは激化していくものと見られます。

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