長崎IRの誘致に反対している市民団体「ストップ・カジノ!長崎県民ネットワーク」は、区域整備計画の認定申請を取り下げるよう、長崎県に要望書を提出しました。
市民団体「ストップ・カジノ!長崎県民ネットワーク」が要望書を出したのは、7月におこなわれた記者会見にて大石知事が述べた内容が発端となっており、8月3日におこなわれた記者会見でも申請は取り消すべきだと強く主張しています。
長崎IRの区域整備計画の認定は未だ審議中で今後どうなるかわからない状況の中、市民団体の抗議は活発化しているのが現状です。
市民団体が申請取り下げの要望書を提出
市民団体「ストップ・カジノ!長崎県民ネットワーク」は、長崎県に対して長崎IRの区域整備計画の認定申請を下げてほしいと要望書を提出しました。
発端になったのは大石知事が7月の記者会見にて「スケジュールや収支計画などは、改めてIR事業者と調整をしながら、その結果を踏まえて県議会や国に対して相談させて頂くこともあろうかとは思う」と発言したことです。
実は現在長崎IRは資金調達先であったクレディ・スイスがスイス銀行最大手UBSに買収されており、その影響により資金調達面について不安が広がっている背景があります。
収支計画とはクレディ・スイスの買収が大きく関わっているとされており、市民団体は長崎IR実現に向けて状況が悪化しているのであれば認定を取り下げるべきと主張しています。
観光庁が作成したIRの認定申請の文書によれば、申請期間後に区域整備計画の変更をおこなうことは手続き上認められておらず、今回の発言はそれに抵触する内容であると判断しているとのことです。
申請をおこなった後に内容を変えてしまっては申請の意味を成さなくなってしまうため、市民団体は8月3日に開いた記者会見では「計画を変更しないといけないのであれば、申請は取り消すべきだ」と述べました。
大石知事の発言は認定後を前提とした内容か
今回の市民団体「ストップ・カジノ!長崎県民ネットワーク」による要望書提出に対して、長崎県IR推進課の担当者は、「今回の知事の発言は、認定後を前提としての発言だった」と説明しました。
認定後であっても、認定された区域整備計画を簡単に変更することは認められないでしょうし、それがまかり通るのであれば認定の意味もなくなってしまう恐れがあります。
ただ、大石知事の発言の中には、最終的に国に対して相談をおこなうという内容が含まれており、勝手に区域整備計画を変更することはないとも捉えられます。
IR事業者とおこなった調整結果がもし国に認められないのであれば、改めて区域整備計画を提出しなければいけないでしょうし、審議もゼロからリスタートすることになるでしょう。
長崎県としても、区域整備計画の根幹を変えてしまうような内容でない範囲での調整であれば国に認められる可能性があるため、調整内容については慎重に検討を進めていく必要があります。
今回の認定取り下げ申請は今年4月に続いて2回目であり、1万筆以上の反対署名も一緒に提出しています。
未だ反対の声が衰えない中でのクレディ・スイス買収のニュースがあって劣勢に経たされつつある長崎IR。
現時点で長崎IRの区域整備計画は審議中であり、今後審査がどのような展開を迎えるのか、注目が集まっています。
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