2023年7月18日、大阪府の吉村洋文知事は、今年4月に日本初の整備計画の認定を受けた大阪IRに対して、開業時期について当初予定していた2029年は困難であるという認識を示しました。
今までは大阪IRの事業者である「MGMリゾーツ」が大阪IRの開業時期は2029年ではなく2030年になりそうだと発言していましたが、大阪府知事が開業時期の遅延について明言したのは今回が初めてです。
今までは遅れる可能性について言及する程度に留めていましたが、大阪IR開業を6年後に控える中で遅延が表面化してきています。
大阪IRの開業時期がずれ込む原因は政府の計画認定の恐れ
大阪府と大阪市が推し進めている大阪IRについて、開業時期を2029年にするのは困難と伝えましたが、その原因は「政府による計画認定の遅れによるもの」と説明しました。
大阪府や大阪市は認定が下りる時期を当初2022年に定めていたものの、結果的に認定が半年遅れてしまったことで開業時期についてもズレが発生するかもしれません。
今回の開業時期のずれ込みについては、吉村府知事は記者団に対して「当事者の共通認識だ」と延べ、事業者である「MGMリゾーツ」や「オリックス」なども同じことを思っていることを強調しています。
実は事業者の「MGMリゾーツ」は5月、インターナショナル幹部の話によれば開業時期は2029年秋~冬から2030年1~6月になりそうだという認識を表明していました。
従って、今回の吉村府知事の認識については、事業者ではなく政府がようやく遅延を現実的な味方で捉えるようになったことが伺えます。
開業時期ずれ込みについて解除の議論はなし
大阪IRの開業時期ずれ込みについては、突然出てきた話ではなく、既に「MGMリゾーツ」から2029年の秋冬ではなく、2030年の上半期であると示されていました。
大阪府と大阪市がようやく開業時期ずれ込みについて理解したとも受け取ることができ、実際に事業をおこなう立場とおこなわない立場の認識の相違が伺えます。
大阪府、大阪市と事業者との間で交わされている基本協定についても解除されるのではないかと思われましたが、吉村府知事は「基本協定の解除の議論は一切していない」と強調しました。
但し、早く具体的な開業時期を定め、建設に向けての準備に取り掛からなければなりません。
また、まだ大阪IRは整備計画の認定を受けただけであり、事業者との基本協定を確定させ、着工時期など具体的な計画を作成し、2023年9月頃までに作成する方針を明らかにしています。
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