大阪IRの開業予定地である「夢洲」の不動産鑑定について、2023年7月6日に情報公開請求を受けたメールが削除されていた問題を巡り、大阪市の横山英幸市長が市議会で謝罪しました。
2022年11月に不動産鑑定の結果について情報公開請求がおこなわれていましたが、これまで不動産鑑定に関わる公文書はないと大阪港湾局が説明していました。
しかし実際は公文書は存在しており、7月3日に大阪港湾局の担当者が謝罪会見を開いたばかりでした。
横山市長は最終的な責任者として謝罪
大阪港湾局の担当者による謝罪会見が開かれた3日後、改めて横山市長が謝罪する形となりました。
横山市長は、「最終的な責任者として、本件で不適切な事案が発生したことについてお詫びを申し上げます。今回の不適切な事案は、メール資料等電子データでの公文書管理に関しての認識が甘く、また、公文書保管情報について適切に共有されていなかったこと等が発生原因です。改めて公文書の管理、情報公開制度の適正な運用について全面的に徹底するよう周知致しました」と謝罪しました。
今回の不適切な事案とは、情報公開請求に対して2019~2020年度にやり取りされた不動産鑑定に関わるメール198通をハードディスクに移動させ、表向きは存在しないと発表していたことを指します。
市議会では、大阪維新の会や公明党の議員から、「情報を意図的に隠したと疑われても仕方のない状況。大阪市の働きかけがあったと言われかねない」「情報公開制度の趣旨に反する内容」など非難される声が続出しました。
IR事業については過去に収賄の問題が浮上したこともあり、今後さらなる不信に繋がるという懸念の声が相次いだ形となりました。
メールの内容は7月14日までに公開予定
新たにハードディスクから見つかった計198通のメールについては、7月14日までに公開される予定です。
横山市長は今回の問題について重く受け止めており、非難の声について「大阪港湾局には再発防止の取組みを早急に徹底するように厳しく指導します」と答弁しました。
当時メールを削除した担当職員については、重大な条例違反をおこなったとして処分を検討しているとのことですが、単独でおこなったのか、組織的におこなわれたのか等明らかにしていく必要があると言えます。
今回の問題の発端となった不動産鑑定に巡っては既に住民訴訟がおこなわれており、メールの内容が公開されることによって新たな動きを見せる可能性があります。
コメント