2023年7月12日、和歌山県の岸本周平知事は、大阪市で開催された関西プレスクラブの会合でIRの誘致について慎重な姿勢を示しました。
関西プレスクラブの会合で講演をおこなった岸本知事は、「IRの誘致は県民が決めることだが、ビジネスとしてはリスクが高い」と述べました。
今年4月にIRの整備計画が認定された大阪市に対し、和歌山県の反応はとても冷静です。
和歌山県が慎重なのは県議会での猛反対が原因
和歌山県がIRの誘致に慎重な姿勢を見せているのは理由があります。
実は仁坂吉伸前知事がかつてIR誘致のために計画を立て、県議会に議案として提出したものの、県議会の賛成が得られず頓挫してしまった経緯があったからです。
県とIR事業者は、和歌山市にある「和歌山マリーナシティ」にIRを誘致する計画を立て、市議会での可決をもぎ取りました。
そのまま県議会で可決されると思われましたが、結果的に賛成を得られず計画案を国に提出できなくなったのです。
仁坂前知事は和歌山の退潮を食い止めるために4,700億円もの投資を計画し、毎年の県民所得10%に期待できると掲げていました。
議案が否決されてからはIR誘致の話は経ち消え、岸本現知事になっても積極的にIR誘致に動いていません。
岸本知事がIR誘致に慎重なのは交通の便も懸念か
岸本知事は中国政府による国外のカジノがある都市への渡航を規制している点を挙げ、中国人観光客の呼び込みが難しくなったことを指摘しました。
他にも、大阪市は関西3空港の空路を拡大し、世界に向けて空の玄関の機能強化に乗り出していますが、和歌山県にある南紀白浜空港は国際線が未だ復活できていない状況が続いています。
海外からの観光客を増やすためには空港の整備は必須であることからも、和歌山の交通の便は大きな課題になります。
岸本知事は大阪市のIR事業については、「大阪で開業予定のIRがどれだけ集客できるか見守りたい」と語りました。
もし大阪市のIRが成功すれば、同じ関西圏の和歌山県にも良い影響を及ぼすことになるので、今後も大阪市の動向を見守っていく姿勢のようです。
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