長崎IR不認定の背景に国の審査委員会が問題視した「熟度の低い計画」

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2024年6月4日、長崎IRの整備計画について、2023年12月初めにおこなわれた国の審査委員会にて、「熟度の低い計画が、今後の地方都市のIRの基準となってしまうのは問題がある」と審査委員が指摘していたことが明らかとなりました。

審査委員会がおこなわれた後の12月末に、国は長崎IRについて資金調達の不確実性やIR事業者の運営能力などを理由に認定しないことを発表していました。

一方で大阪IRは基準をクリアして認定されており、今後国内でIR事業について認定を受けるためには大阪IRが一つの大きな基準になるとの見方が強まっています。

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審査委員会で繰り広げられていた長崎IR認定の是非

今回の長崎IRを審査していた審査委員会とは、国土交通大臣が公平、公正な審査をおこなうために、IR基本方針に基づいて外部有識者7人で構成されています。

長崎IRについての審査は複数回にわたっておこなわれており、6月4日に未公開となっていた2023年12月までの長崎IR関連の議事要旨をホームページにて公開していました。

議事要旨によると、昨年12月1日におこなわれた審査委員会では、海外事業からのコミットメントレター(出資や融資をおこなう意思の証明書)などを集めて資金調達をしようとしている長崎IRの手法について、「資金提供の実態が見えない」などの見方が強く、資金調達について否定的な意見が相次いでいたと記録されています。

また、IR事業者に対しても、「十分な能力を有しているのかどうか釈然としない」と疑問視する声が出ていたと記録されており、全体的に否定的な見方が占めていたことが伺えます。

長崎IRの出資者には、カジノオーストリアインターナショナルをはじめ、多数の外資の出資者が8割を占めており、大阪IRのように2社で8割を占めているような状況ではないため、コミットメントレターだけで出資に問題がないと判断できるのかが疑問視されたと見られています。

今後は大阪IRが審査クリアの基準になるか

今回の長崎IRの不認定を受けて、長崎IRは大阪IRと比較して出資者やIR事業者に対して条件をクリアできていないことが明らかとなりました。

今後認定を受けるためには、既に認定を受けている大阪IRが一つの大きな判断基準になっていると言えます。

IRの誘致を巡っては、2023年4月にアメリカのカジノ大手であるMGMリゾーツとオリックスを中核とする大阪IRが認定を受けたものの、長崎IRは認定を受けられませんでした。

長崎県は2023年秋に国側のヒアリングに2度出席して計画内容を説明したものの、理解を得ることができなかったのです。

今後大阪IRの認定が基準になるのであれば、MGMリゾーツのような大手カジノ事業者が出資者になっていることや、大きな出資ウェイトを占めるような出資者が名を連ねていることなど認定をクリアするためのハードルは非常に高いと言えます。

今のところ大阪IR、長崎IR以外でIR誘致の認定は受けていませんが、今後も厳しい審査が続くことになりそうです。

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