2024年10月24日、博覧会国際事務局(BIE)のトップであるケルケンツェス事務局長は、これまでは騒音や景観の悪化を懸念していましたが、来年の万博中に会場の隣でおこなわれることになるIR(カジノを含む統合型リゾート)の建設工事について、一定の理解を示しました。
会合でケルケンツェス事務局長は「これはもはや問題ではないです。連絡調整会議が調査して悪影響がないようにする必要があるだけです」と述べました。
これまでケルケンツェス事務局長は工事の中断を考えるように大阪府などに求めており、大阪府などは9月に国やIR事業者を含めた連絡調整会議を設けることなどを決めています。
大阪府などの連絡調整会議対策で一定の理解を示した博覧会国際事務局
博覧会国際事務局(BIE)のトップであるケルケンツェス事務局長は、2024年10月24日に開かれた会合にて、大阪府などが立ち上げた連絡調整会議を評価し、来年開かれる万博の隣でおこなわれるIRの工事について悪影響を及ぼさないなら問題ないとコメントしました。
これまで博覧会国際事務局は大阪IRのIR建設について景観や騒音の悪化を懸念しており、工事に対して否定的でした。
しかし、万博とIRの板挟みになっていた大阪府や大阪市は双方と調整をおこない、連絡調整会議を立ち上げることで一定の理解を得ることに成功しました。
大阪・関西万博が開かれるのは2025年、IRがスタートするのは2030年と立て続けに夢洲を舞台に繰り広げられるだけに、調整は難航していましたが、万博まで残り1年となったタイミングでようやく万博開催とIR工事の両立に目処が立ったことになります。
大阪・関西万博に向けた機運醸成の取り組みや交通対策が求められる
博覧会国際事務局(BIE)のケルケンツェス事務局長は、大阪府庁にて吉村府知事や横山大阪市長と意見交換をおこない、来年4月にいよいよ開幕する大阪・関西万博に向けた機運醸成の取り組みや交通対策、そして閉幕後のレガシーの確立を求めました。
ケルケンツェス事務局長は、人口島である夢洲の会場建設について、「素晴らしい進展があった」と評価しつつも、全国的な機運醸成の取り組みや会場までの交通混雑を緩和する対策の必要性を強調しました。
閉幕後に向けて、「万博で育んだ価値観を世界中に分かち合えるようにお願いしたい」とお求めています。
また、夢洲の会場近くにて2030年秋の開業を目指しているIRの工事について懸念を抱いていましたが、連絡調整会議による対策に理解を示し「対策が講じられているので、もう問題になっていない」と述べました。
これに対して吉村府知事は「地元を上げて全力で取り組み、国や経済界とも協力して素晴らしい万博にしたい」と述べ、今年11月にパリで開催されるBIE総会に横山大阪市長と出席して準備状況などを報告する意向を示しています。
今回のケルケンツェス事務局長からの注文にあった交通アクセス対策は、2030年開業予定のIRにも同様のことが言えるため、万博に対する対策はそのままIRに対する対策になるとも言えます。
ここから1年は大規模な騒音が出るような工事は開幕中は延期するなど、遅延が発生しないように調整されながらIRの工事が勧められていくことになります。
今回のケルケンツェス事務局長が示した一定の理解によって問題は収束を迎えそうですが、今後の動きに注目が集まっています。
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