大阪IRの初期投資額が1,900億円増、実施協定案で明らかに

2023年9月5日、大阪府と大阪市は実施協定案を公表しましたが、その中で開業時期の延期の他に、事業者の初期投資額についても増額されていることが明らかになりました。

初期投資額の増額については1,900億円の増額が見込まれており、元々総額が1兆800億円だったのに対し、1兆2,700億円に変更になるものと見られています。

初期投資額が増額になった背景には建設資材の価格高騰が主とのことですが、上振れ分については事業者が負担するとのことです。

大阪IRの収益のほとんどをカジノ収益に頼っている状況ですが、カジノ施設は面積に上限があることから収益の増加には限界があると言われており、今後はカジノ施設以外の施設による収益力増加が必須となりそうです。

なお、開業時期については、2029年秋頃から2030年の秋頃に延期となっていますが、今後の状況によっては更なる延期の可能性も考えられます。

目次

大阪IRの初期投資額は1,900億円増の1兆2,700億円に

今回の実施協定案で明らかになったのは、開業時期の遅延以外にも初期投資額の増額がありました。

当初予定されていた初期投資額は1兆800億円となっていましたが、1,900億円増額となり1兆2,700億円に変更されています。

主な増額理由としては建設資材などの価格高騰で、世界情勢の影響を大きく受けているのが原因です。

これは現在の大阪万博でも同じ理由で準備が進んでいないことから考えても、世界規模での影響だと言えるでしょう。

なお、今回の初期投資額の増額分については、大阪府や大阪市ではなく事業者である日本MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスコンソーシアムが負担する見通しです。

今回の投資額増額で懸念されているのは、大阪IRの収益計画です。

初期投資額は全て大阪IRの収益によって賄われることになっていますが、大阪IRの収益を上げなければ増額分を賄えません。

大阪IRの収益はおよそ8割をカジノ収益に依存した形になっています。

しかし、カジノ施設の床面積はIR全体の3%未満と定められているため、これ以上拡張させることができません。

つまり、カジノ収益をこれ以上増やすのは簡単なことではなく、カジノ収益以外の収益を上げる必要があります。

増額分を賄うためには、MICE施設やホテルなどといった施設の収益計画を見直す必要があり、今後どのようにして対応していくのかが課題となっています。

大阪府と大阪市は、公表した実施協定案を国に提出し、9月末までに事業者と正式な協定を締結する方針です。

大阪IRの開業時期は2030年秋ごろの見通しへ

元々大阪IRの開業時期は2029年秋から冬を目指して計画され、2022年4月に国に区域整備計画を提出しました。

当初は国から認知がおりるのは半年後の2022年秋だと言われていましたが、審査が延期したことにより認定がおりたのは翌2023年4月となり、半年の遅延が発生してしまいました。

審査の遅延は開業時期の遅延に直結し、5月にMGMリゾーツ・インターナショナルは「開業時期は2030年上半期になるだろう」との見通しを発表。

吉村大阪府知事も7月に2029年の開業は難しいとの見解を示していましたが、今回正式に実施協定案に遅延情報が組み込まれました。

実施協定案によれば、2025年春から2030年夏頃にかけて施設工事を実施し、開業時期は2030年秋ごろと明記されています。

ただ、工事の進捗が芳しくない場合はさらなる遅延が発生する可能性もあり、開業がさらに遅れる可能性もあります。

夢洲には土壌問題の改良もあるため、改良工事が順調に進むかどうかの課題も残されています。

予想されていないような範囲の工事に発展する可能性もあり、今後の展開に注目が集まっています。

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