長崎IRの基本協定書は非公開…今後も開示される予定はなし

2022年7月14日、長崎県知事の大石氏は、記者会見の場で事業者であるカジノオーストリアとの間で結んだ基本協定書について、「事業者の公募の段階から外部に公表しないことを前提としているため、今後も公開することはない」と述べました。

2022年4月に一部のメディアが基本協定や関連の協議録などの開示を請求していましたが、長崎県は不開示を表明していました。

長崎IRは4月に区域整備計画を国に提出しましたが、現状融資や出資企業について公表しておらず、開示を求める声が挙がっています。

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カジノオーストリアとの基本協定書は「非公開が前提」

2021年8月、長崎県は事業者のカジノオーストリアと基本協定書を締結しました。

基本協定書には、長崎県と事業者それぞれが負う義務や得られる権利が明記されており、もし計画が頓挫してしまった場合の違約金などの詳細が記載されているものと見られています。

長崎IRと同じくIR誘致を目指している候補地の大阪IRや和歌山IRでは、事業者との間に締結した基本協定書をホームページ上で公にしていました。

しかし長崎県は他の候補地とは異なり、基本協定書の内容を公開していません。

一部のメディアが長崎県に対して、他の候補地では公開しているのにおかしいとして、4月に締結した基本協定書、締結に関する書類などを開示するよう求めましたが、長崎県は一貫して不提示としており、6月には「公開することで法人の権利や競争上の地位などを害する恐れがある」との見解を発表しています。

7月14日に開かれた記者会見においても、「事業者の公募の段階から外部に公表しないことを前提としている」として、これまでも、そしてこれからも基本協定関連の資料は外部に公表しないと明言しています。

基本協定書は開示しなければいけないのか

大阪IRや和歌山IRが事業者との間に締結した基本協定書を公表していますが、長崎IRは頑なに公表を拒んでいます。

基本協定書の開示が義務のように感じられますが、必ずしも開示する必要はありません。

協定書とは、締結する当事者らが何らかの事項について合意する内容の書面であり、双方が合意して締結できるものであれば、特に開示に踏み切る義務はありません。

基本協定書はまだ本格的な段階での契約ではなく、責任の所在を明らかにするための合意に過ぎないのです。

区域整備計画が認定されれば、工事内容や工期など具体的な契約を結ぶことになるため、基本協定書はその前段階の契約という位置付けです。

IRは他の候補地がそうであったように、IR誘致をしていても叶わずに計画が頓挫してしまう可能性があるため、あらかじめ基本協定書を締結しておく必要があるわけです。

ただ、既に国に提出された区域整備計画には、事業者や資金調達をおこなう企業が記されていると言われているので、今後少しずつ明らかになっていくと思われます。

長崎IRの区域整備計画の審査結果が出るのは秋頃と言われていますので、無事認定を受けることができるのか、今後の動向に注目が集まっています。

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