大阪が掲げるIRの舞台は夢洲…期待と不安が渦巻く大舞台に

2023年4月14日、政府は日本で初めてIR整備計画を認定し、大阪IRはいよいよ本格的に始動することとなりました。

整備計画を提出してから1年経っての認定となりましたが、2025年には大阪万博を控えている大阪にとっては、関西圏の経済発達のための大きな一歩を踏み出しました。

今後具体的なアクションが想定される中で、初のIRを目の当たりにする私達は、大阪IRとはどのようなものなのか、IRを建設する場所や規模についてはどうなっているのかなど、大阪が掲げるIR計画の内容をおさらいしていきます。

目次

大阪IR計画の舞台になるのは「夢洲」

まずIR計画を立ち上げた立役者ですが、広くは大阪になっていますが正確には「大阪府」と「大阪市」の連携によって進められています。

大阪湾にある「夢洲」にカジノをはじめとしてホテルやシアター、国際会議場、展示場などを建設し整備するのが大枠の計画内容です。

夢洲とは大阪市此花区にある人工島で、もともとは1970年からゴミ処理場として焼却物や建設残土などで埋め立てられた場所でした。

1980年代に突入すると、人工島を有効活用するために北にある舞洲と南にある咲洲を含めて「テクノポート大阪計画」が立ち上げられましたが、その後のバブル崩壊によって頓挫してしまいます。

その後しばらくは特に有効活用される場はなかったのですが、2008年に大阪がオリンピック開催地として立候補した際に夢洲は選手村としての活用が検討されます。

しかし結果的にはオリンピック招致に失敗してしまい、夢洲は長らく負の遺産として扱われてきました。

このまま夢洲は有効活用されないまま幕を閉じるかと思われましたが、2025年の大阪万博、そして大阪IRと関西圏経済発展の大舞台に抜擢されたのです。

大阪が掲げるIR計画とは

夢洲を舞台にした大阪IRですが、延べ床面積は全て合わせて77万平方メートルと、東京ドームのおよそ16個分に該当する広さです。

運営する事業者は「大阪IR株式会社」ですが、運営はアメリカの大手IR運営会社「MGMリゾーツ・インターナショナル」の日本法人「日本MGMリゾーツ」と「オリックス」が中心に関わると言われています。

これは出資額が影響しており、「日本MGMリゾーツ」が40%、「オリックス」が40%で2社だけで出資額の80%を占めるからです。

他にも20社が出資者として名を連ねていますが、20社合わせても出資額の20%しかありません。

初期投資額はおよそ1兆800億円、年間の来場者は約2,000万人を見込み、IR全体の売上は5,200億円ほどが見込まれています。

売上額はとても大きいですが、その8割はカジノが占める見通しのため、IRの要はやはりカジノということになります。

経済発展の一つとなる雇用については、まずIRの建設で11万6,000人、運営で9万3000人ほどの雇用が生まれるとされており、経済効果は年間1兆1,000億円にのぼるとされています。

大阪IRは大阪府や大阪市だけでなく、関西圏全体の経済発展が期待されており、IRを一つの起爆剤として活用したい考えです。

気になる大阪IRの開業ですが、当初は2025年、つまり大阪万博と同じタイミングの計画でしたが、予定から4年遅い2029年の秋から冬頃を見越しています。

民間の資金で運営される大阪IRには課題も

大阪IRは府や市が立役者として進められていますが、建設や運営については民間の資金でおこなわれることになります。

しかし、舞台となる夢洲で土壌汚染などの問題が浮上した際は夢洲の所有者である市が788億円もの資金を投入して対策をおこなうことになっており、公費負担、いわゆる税金が使われるという事態に批判の声があがっています。

今後も同様な問題が起こると予想されており、整備計画は認定されたものの、今後の建設段階においてさらなる壁が立ちはだかっています。

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